光の小次郎
水島新司の野球漫画の代表作と言えば「ドカベン」「あぶさん」なんでしょうけど、私のお薦め作品は何と言っても「光の小次郎」
もう30年近く、昔の作品ですが、この作品の世界観はまさに水島ワールド。
チーム、選手は全て架空の存在ですから、遠慮なしのストーリーの創作が可能な為にワクワクするようなストーリー展開になっています。
「ドカベン」のプロ野球編も小次郎が活躍した水島の架空ワールドで描いてくれれば、もっとユニークなキャラクターとの勝負が可能だったのではと思います。
ストーリーは甲子園で無類の存在感を示した小次郎がドラフト制度に反旗を翻したことから日本中のファンから反発を買います。
このあたりは、時代背景から江川をモデルにしているのかなとも感じます。
そして、小次郎は武蔵オリオールズのドラフト1位指名を蹴って浪人生活。1年後、ドラフト制が廃止してからオリオールズに入団。
くじ引きに対する批判が込められている点は、当時の情勢からしても画期的です。
そして、開幕戦。オリオールズはエースの伊達でなく小次郎を開幕投手として登板させることによりチーム内の雰囲気は険悪な感じに。
でも小次郎は早くも新人離れしたスケール感を見せます。DH制採用のワイルドリーグにもかかわらず投手として打席にも立ち、先制本塁打。
そして、投げてはパーフェクトピッチングを続けていきます。
7回裏、メッツの2番打者ショート国友のセーフティーバントを見事に冷静に見破り、続く主砲・軍司に「力と頭の野球ができるこの小次郎まさになみのルーキーではない。」というセリフを吐かせます。
結局、9回2死までパーフェクトを達成するが27人目に見方のエラーで同点に追いつかれ、延長17回完投します。決勝点も小次郎の頭脳プレーによるもの。水島マンガらしい得点シーンです。
この作品。スポーツ新聞の見出しも面白い。
プロ野球が人気を博していた頃のマンガといった感じです。
シーズン中にオリオールズのエース伊達がトレードで移籍発表して即先発登板なんて場面もありましたが、読者としてはワクワク感がありました。
多分、水島先生の描く、理想のプロ野球界だったのかもしれません。
この架空世界に山田太郎をはじめとした水島新司のキャラクターを登場させたらもっと面白いのにと思う。
現実のプロ野球もあのくらい盛り上がってくれればいいのに。


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